国鉄 三滝駅 安芸長束駅 下祗園駅

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(1)三滝駅 昭和35年12月1日 昭和54年2月1日現在

 横川〜安芸長束間は、太田川放水路建設のために、昭和37年10月1日に線路付け替えが行われました(ウィキペディア「可部線」より)。

 三滝駅の配線略図をみるまえに、横川〜三滝間の線路縦断面図の略図をみてみたいと思います。これらの図面は、運転用の線路図に記載されている図面で、より詳しくは、線路縦断面図や線路一覧略図をみなければならないのですが、残念ながら、それらは手許にはありません。

 線路付け替えによって、三滝駅が、太田川放水路(旧太田川?)の対岸に移設されたようで、新線では、横川〜三滝駅間で太田川放水路を渡るのですが、残念ながら、下の図面(昭和54年2月1日現在)では、橋梁が記載されていませんね。2か所の「200」メートルの曲線の間に、鉄橋があるのではと思われます。三滝トンネルが新設されたことはわかります。

 次に三滝駅です。昭和35年当時も電化されていますが、架線電圧は750Vだったようです。線路移設と同時に自動信号化はされなかったようですね。キロ程が変化していることがわかります。

 昭和35年の図面で、2番線の有効長と思われる数字が「15イ」に見えますね・・・。これが、横川駅(北口)の図面で、よくわからなかった「15ロ」の相方でしょうか??(笑)

 「15イ」は1番線と同じく「151」と考えるのが素直だと思います。そうしますと、横川駅(北口)の「15ロ」は、山陽本線への連絡線の有効長で、「150」ということだったのでしょうか。

 横川〜三滝間に遠方信号機は建植されていなかったようです。

昭和35年12月1日現在        昭和54年2月1日現在

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(2)安芸長束駅 昭和35年12月1日現在 昭和54年2月1日現在

 ここも、まずは、三滝〜安芸長束間の線路縦断面図の略図をみたいと思います。昭和35年の図面で20‰の勾配がでてきますが、これはたぶん橋梁への取り付け勾配だと思われます。

 次に配線略図です。ここも駅の移設が行われ、キロ程が変化しています。昭和54年の図面では、線路配置上は1線スルー化されているようにみえますが、運転上、上下本線は区別しているようです。

 三滝〜安芸長束間に遠方信号機は建植されていなかったようです。

昭和35年12月1日現在        昭和54年2月1日現在

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(3)下祗園駅 昭和35年12月1日現在 昭和54年2月1日現在

 昭和35年の図面をみますと、専用線が伸びています。

 鉄道ピクトリアル1997年11月号(No.645)「宇部・小野田/可部/福塩線 特集号」の和久田康雄さんの記事「1950年前後の可部線」にある24ページ掲載の「可部線電車区間線路図(1951年当時)」を参考にしますと、「西日本重工」の専用線だったことがわかります。

 この専用線は、昭和19年に三菱重工の専用線として設置されたようです(ウィキペディア「下祗園駅」より)。しかし、第二次世界大戦後、GHQの占領政策で、三菱重工業が、昭和25年に、東日本重工、中日本重工、西日本重工に3分割されたため、昭和26年当時では、西日本重工の専用線であったというわけです。

 ちなみに、上記3社は、昭和27年に、それぞれ、三菱日本重工業、新三菱重工業、三菱造船へと社名変更しており、さらに、昭和39年に3社が合併し、現在の三菱重工業株式会社となっています(ウィキペディア「三菱重工業」より)。当然、「専用線一覧表」にある専用者名も、「専用線一覧表」年代によって、変化しているようです。

 昭和35年12月1日当時では、三菱造船の専用線だったということになります。

 この専用線の廃止は、昭和49年のようですが(ウィキペディア「下祗園駅」より)、廃止当時では、三菱重工広島精機製作所専用線となるようです。(しょう様サイトの「廃鉄の処女U」 https://ameblo.jp/ironmaiden666666/entry-12281728536.html を参考にさせていただきました。)

 専用線廃止後も、三菱重工の工場が2003年9月末まで存在し、現在、工場の跡地は、イオンモール広島祇園となっているようです(ウィキペディア「イオンモール広島祇園」より)。

 イオンモール広島祇園公式サイトのアクセスガイドのページ( https://gion.aeonmall.com/static/detail/access-transport )をみますと(汗)、駅と工場の位置関係がよくわかると思います。ところで、ここのイオンモールは、駅徒歩3分ということで便利ですね。今度、広島を訪れる機会があったならば、可部線の乗り鉄ついでに、寄ってみたいと思います。

昭和35年12月1日現在                昭和54年2月1日現在

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