宇部新川〜電車区(庫口)間の閉そく方式の変遷??

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(1)昭和51年4月1日現行

 広島鉄道管理局の昭和51年4月1日現行の運転取扱基準規程をみますと、宇部新川〜宇部電車区間・約1.5kmは、構内運転区間に指定されていて、下の「別表第2(第55条)」ように指定されていました。

 この構内運転区間は、閉そく方式が「通票閉そく式」ですね。非自動の構内運転区間であったわけです。

 宇部新川駅と電車区(庫口)にそれぞれ信号扱い所があり、通票閉そく装置が設備されていたのだと思われます。「庫口」は、昭和30年代の鉄道ピクトリアルの電車区通信などの記事をみますと、「くらぐち」と読むようです。

 「通票閉そく式」ということで、通票の種類が気になるところですが、上記の広島局の運転取扱基準規程には、この構内運転区間の通票の種類について規定されている条項がありませんでした。宇部新川駅の運転作業内規等に規定されていたのかもしれません。

 これでお手上げかとあきらめかけていたのですが、

鉄道ピクトリアル1997年11月号(NO.645)宇部・小野田/可部/福塩線特集

の17ページに、沢柳健一さんが作成された昭和50年3月現在の宇部・小野田線の線路配置図が掲載されており、そこに、宇部新川〜宇部電車区間の通票の種類が記されていました。貴重な記録だと思います。

 それによると、この区間の通票の種類は、第一種「丸」でした。

 ちなみに、上記雑誌の16ページに掲載されている昭和25年4月現在の線路配置図に記されている宇部(宇部新川)〜藤曲(宇部電車区)間の通票の種類をみますと、第三種「三角」だったようです。

 

(2)昭和55年4月1日現在の線路図をみると・・・(汗) 

 さて、ここで、昭和55年4月1日現在の宇部新川駅の線路図をあらためてみますと・・・、残念ながら、上の表の「区間」の欄にある入換信号機と番号が一致する入換信号機は、一基たりとも描かれていないのですね(汗)。

 考えられるのは、昭和51年4月1日〜昭和55年4月1日の間に、宇部新川駅で、連動装置の更新がなされたといったことでしょうか。配線変更をも伴うものだったかはなんともわかりませんね。

 上記表の入換信号機番号からの推測にすぎませんが、もしかすると、昭和51年4月1日時点で、宇部新川駅の連動装置は継電化されておらず(第一種電気機連動装置あたりだった?)、昭和51〜55年の間に連動装置が継電化され、もしかすると、電車区の信号扱い所は、宇部新川駅の信号扱い所に統合されたのかもしれません。

 下図中に描かれている「入換信号機」は、電車区への出入に係る信号機だと思われますので、昭和55年4月1日時点では、宇部新川〜宇部電車区間の構内運転区間の閉そくは、自動化されていたのだと思われます。

 昭和50年4月1日以前の線路図と、昭和55年4月1日以降の広島局の運転取扱基準規程・・・、そのどちらも手許にはないので、断定できないところが残念ではあります。

 

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