国鉄 宇部港駅

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(1)昭和55年4月1日現在

 かつて国鉄には「港」のつく貨物駅が数多くありました。「港」を「みなと」と読む駅と「こう」と読む駅があるのですが、ここは「こう」と読むようです。

 当駅は、新会社移行後も残り、平成11年(1999年)7月1日に列車設定がなくなり、平成18年(2006年)5月1日に居能〜宇部港間が廃止され、宇部港駅も廃止になったようです。(ウィキペディア「宇部港駅」より。)

 線路図上、宇部線(居能〜宇部港間)は、宇部線・小郡〜宇部間とは別に収録されており、図面上、宇部方が左側に描かれています。

拡大版(ファイルサイズ 601KB)

 居能〜宇部港間は、歴史的には、宇部電気鉄道が600Vの電化線として開業した区間の一部のようで、第二次世界大戦下の統合・国有化を経て、戦後、国鉄により非電化・貨物線となったようです。(※)

 戦前、宇部電気鉄道と宇部鉄道は連携しており、宇部鉄道・宇部新川(当時の「宇部」)から宇部港駅(当時の「沖ノ山旧鉱」)まで非電化の貨物連絡線が宇部鉄道の貨物線として存在したようです。(※)

 戦後、この貨物線(宇部新川〜宇部港間)がまだ存在していた頃の宇部新川駅(当時の宇部駅)の線路配置図(昭和24年3月28日現在)が、鉄道ピクトリアル1997年12月号(No.646)の109ページ「宇部駅の配線図について 栗林 宗人」に掲載されています。この記事は、鉄道ピクトリアル1997年11月号(No.645)「特集 宇部・小野田/可部/福塩線」の補遺となっています。

 宇部電気鉄道に在籍していた電気機関車のうちの一両(デキ11)は、昭和25年に富山港線に転入し、同27年にED251に改番、同35年に廃車され、上田丸子電鉄・丸子線へと移り、その後、別所線へと移籍し、昭和61年の上田交通・別所線の1500V昇圧まで在籍したようです。(※※) 

(※)鉄道ジャーナル2019年6月号(No.632)142〜143ページ 「鉄道史の断面 戦中戦後に結びついた本州最西端の3支線」(岩成政和)を参考にしました。

(※※)RM LIBRARY 73 上田丸子電鉄(上)宮田道一・諸河久 (ネコ・パブリッシング 2005年9月1日発行)41ページ写真解説を参考にしました。  

 この電気機関車は、長野県上田市の丸子工業百年記念公園に保存されているようです。下記サイトなどに詳しいです。

http://c5557.kiteki.jp/html/ED251.htm

 また、グーグルのストリート・ビュー(2018年8月撮影)などでもその様子をみることができます。

https://www.google.co.jp/maps/@36.3185346,138.2688858,3a,75y,259.53h,87.75t/data=!3m6!1e1!3m4!1spTYTp0gtr-a_L1U98DATdQ!2e0!7i13312!8i6656?hl=ja

 

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