国鉄 結城駅

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(1) 国鉄 結城駅 昭和33年 (1958年) 3月現在 

拡大版 (ファイルサイズ 646KB)

 当初は以下の(参考)ように推定しましたが、 掲示板 http://senrozu.bbs.fc2.com/ にf54560zgさんよりコメントをいただいたように、基本は手動の信号機と推定した方が合理的と考え、以下のように原図の信号機シンボルに青文字で訂正しました。(2016年11月1日追記)

拡大版 (ファイルサイズ 651KB)


 

(参考) 結城駅の信号機については、記号より、電気式 色燈式 単燈形で、以下のように推定されます。

手動、半自動(保留)、半自動(非保留)が入り乱れている感じが(汗)するのですが、これで正しいのでしょうか?

 

1  下り遠方信号機         

2  下り本線場内信号機(手動、2位式「進行 停止」)

3  下り本線通過信号機

4  小山方から上り1番線場内信号機(半自動に準ずるもの、非保留 2位式「進行 停止」)



5  上り本線出発信号機(半自動に準ずるもの、保留? または 手動? 2位式「進行 停止」)

6  上り1番線小山方出発信号機(半自動に準ずるもの、非保留 2位式「進行 停止」)



7  下り本線出発信号機(手動、2位式「進行 停止」)

8  上り1番線友部方出発信号機(手動、2位式「進行 停止」)



9  上り本線場内信号機(半自動に準ずるもの、非保留 2位式「進行 停止」)

10 上り本線通過信号機

11 友部方から上り1番線場内信号機(手動、2位式「進行 停止」)

12 上り遠方信号機

 

(2) 国鉄 結城駅 昭和52年 (1977年) 2月現在 

 鉄道文庫1 「国鉄における CTCの取扱いと設備」 中西昭夫 矢部輝夫著 日本鉄道図書株式会社 昭和61年6月10日発行 によれば、水戸線 小山〜友部間 50.2kmのCTC化は、昭和45年(1970年)2月とのことです。したがって、結城駅はCTC区間の停車場となります。

 拙掲示板の方で、やわやわとまれさんから、水戸線では、起点方から停車場ごとに100,200…と信号機、転てつ器番号が振られているとご教示いただきましたが、これはCTC区間特有の番号の振り方のようです。

 水戸線の折本式線路図には、残念ながら、信号機番号が記載されていないのですが、転てつ器の方の番号は記載されていて、結城駅は、100番台の番号が振られています。

 番号とは関係ありませんが、水戸鉄道管理局の折本式線路図では、貨物専用側線が明記されているのが一つの特徴でしょうか。「共同石油」など今となっては懐かしい企業名も散見されます。

  また、東結城は、「閉そく区間の中間停車場」ですね。 

 拡大版 (ファイルサイズ 555KB)

上図面は、水戸鉄道管理局作成の図面からの抜粋です。凡例が必要な場合は下を参考にしてください。

 凡例Aファイルサイズ 316KB)  凡例B (ファイルサイズ 193KB)   凡例C (ファイルサイズ 236KB)

 

(参考1 CTC区間の停車場における「駅扱てこ」) 

 上図中、線路を示す点線の線分は、凡例より、架線の張られていない線路を示すのですが、その点線の他に、駅構内を分割するような点線が引かれています。この点線については、凡例にも説明がなく、私としては、駅構内のき電区分かなにかだと思っていました。

 しかし、水戸線がCTC区間ということで、上記の参考書等を読み直しますと、「駅扱てこ」の項目に、上図に引かれているのと同様の点線が引かれた配線略図の例示をみることができます。

 

 一般に、CTC区間内にある停車場で、CTC制御所から信号機等を集中制御される停車場を、「被制御駅」と呼ぶのですが、その被制御駅において、車両の入れ換えを行う場合、入換信号機、入換標識、転てつ器等は、CTC制御所で取り扱う方法と、駅で取り扱う方法があります。

  そして、複雑な入換作業などの場合、一般的に、CTC制御所で取り扱うよりも、駅で取り扱った方が、効率的で誤りが少なく円滑な作業が期待できるため、CTC区間の被制御駅であっても、必要に応じて、駅で信号機、転てつ器等を取り扱えるように設備されており、そのための設備の一つが「駅扱てこ」なのです。

 CTC区間の被制御駅にも、停車場の連動装置を取り扱うための制御盤(この場合は補助制御盤と呼ばれる。)が設備されているのですが、その補助制御盤上に、 「駅扱てこ」の設備がなされています。当然、CTC制御所の承認下においてですが、駅側でこの「駅扱てこ」を反位にすることで、信号機等を駅扱いに切り換えることできます。

 この「駅扱てこ」ですが、1構内に対して1本のてこを操作し、1構内全体を一括してCTC制御所から切り離すのを原則としますが、構内線路配置や構内作業ダイヤを考慮し、構内を2つ以上に分割して、構内の一部分のみを駅扱いにすることもできます。

 

 以上が参考書に書いてある解説のおおよその部分を要約したものなのですが、このことから推定しますと、結城駅の配線略図に記された構内を分割するように引かれた点線は、車両入換等のために転てつ器や信号機をCTC制御所扱いから駅扱いにする際の駅構内の分割方を示している可能性が大きいと考えられます。

 もちろん、駅とCTC制御所とのやりとりや、上記分割方について種々の留意点があり、それらは参考書にも触れられていますが、ここでは割愛したいと思います。

 

(参考2 図中にみられる四角にSのマーク) 

  凡例にもある通り、この四角にSのマークは、「鎖錠表示燈及び鎖錠スイッチ」となります。これは、CTCとは関係ありませんが、第一種電気継電連動装置の「単独てこ式」に、入れ換え作業を行うための設備が設けられた「鎖錠てこ式」の停車場の配線略図にみられる記号です。

 この「鎖錠てこ式」の停車場では、入換標識は設備されず、その代わりに、鎖錠てこ(制御盤)と鎖錠スイッチ(現場)の組み合わせにより、 電気的かつ単独に制御される転てつ器を鎖錠し、入れ換えルートを確保します。

 まず、信号掛により、駅本屋等におかれた制御盤上、転てつてこにより転てつ器を操作し、入れ換えルートを構成し、関係の鎖錠てこを反位にします。現場では、この連絡を受けて、ルート開通方向を確認し、鎖錠スイッチをしゃ断します。それにより、鎖錠てこは反位に鎖錠され(現場の表示燈が橙黄色に点燈。)、制御盤においては関係転てつ器を操作できなくなります。

 この場合、現場での開通方向の確認は、電気転てつ機に付設された転てつ器標識によるのですが、上の結城駅の図面では、転てつ器標識の記号がありません。これは省略さているだけでしょうか?

 なお、「鎖錠てこ式」の停車場が、CTC区間の被制御駅になる場合、「進路てこ式」に変更されるらしいのですが、入換作業における進路構成は、単独てこ及び鎖錠てこによることとなるらしいです。

(*)参考図書 「運転保安設備の解説」 吉武勇 明本昭善著 日本鉄道図書株式会社 第6版 昭和59年9月16日発行

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