国鉄 夕張駅

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(1)連動図表 年代不明 炭鉱盛業時のものか? 

 数年前、紙片一枚の資料として購入したものです。45ページという文字が入っていますので、札幌鉄道管理局作成の台帳式・管内停車場配線略図集からの一枚であるとも思われます。古い時代の配線図面集は、連動表も一緒に掲載されていた可能性があります。

 年代なのですが、「トワイライトゾーン・マニュアル」(ネコ・パブリッシング)所収の「全国専用線一覧表」から推測すると、昭和30年代前半の図面ではないかと思われます。

 停車場構内の専用線ですが、すべて北海道炭礦汽船・夕張炭鉱関連のもので、図面右端、一点鎖線イロの先にある丁未(ていび(ていみ)鉱専用線の「丁未鉱」とは夕張第一鉱の通称のようです。

「丁未」の読みは「ていみ」が正当であることを掲示板の方でooyubari9237様からご教示いただきました。http://senrozu.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=8202120 ありがとうございました。(2021年7月8日追記)

 

 図面左下の高松専用線は、「ズリ山」のあった夕張の高松地区まで伸びていた専用線のようです。「ズリ(炭滓)」とは炭鉱坑内から出た不要な土砂のことで、その捨て場が高松地区にあったとのことです。北炭夕張の選炭工場で出たズリは、ベルトコンベアでホッパ施設まで運ばれ、そこで炭車に落とされ、その炭車は、ケーブルカーのような急こう配の線路を引き上げられて、頂上でズリが捨てられ「ズリ山」を形成していったとのことなので(※)、この1.7キロにも及ぶ高松専用線がどのように関わっていたか興味深いところです。

 そして、高松専用線から分岐する天竜線は、「昭和13年の事故後、採掘は中止されたが、東斜坑としてズリの充填などが行われた。」(※※)という天龍鉱にかかわるものでしょうか。下図より高松専用線の終点が「中央砂壕」となってますので、ズリ山からの「ズリ」をこの天龍鉱まで運ぶために高松専用線が使われた可能性は高いと推測されます。 

(※) 「北炭夕張ズリ捨て線」 http://www.ab.auone-net.jp/~haikyo/haisen/zuri/zuri.html を参考にさせていただきました。 

(※※)「北炭夕張炭鉱」 http://www.ab.auone-net.jp/~haikyo/haisen/yuubari/yuubari.html より「夕張鉱業所第二鉱」を参考にさせていただきました。

 また、ネコ・パブリッシングから出版されているのですが、「ドキュメント 感動の所在地 2」の「夕張線〜室蘭本線 北の運炭動脈を往く。」より116ページに掲載されている名取紀之さんが撮影した昭和49年3月26日の夕張駅構内の写真を拝見すると、下図中5番線に隣接して、北炭夕張の選炭工場の巨大なホッパービンが聳えるように建っているので、石炭2〜4番線は、選炭工場に係る専用線かと思われます。

<連動表についてのいくつかの疑問>

ア、第1種機械 乙か丙か?

 「第1種機械乙丙」とあって、乙か丙、どちらなのだろうか・・・といきなり疑問がわいてきます。図の汚れのようなものは、元の紙片にあったものですが、「乙」の文字を消したものではないようです。

 ここで、「運転保安設備の解説」(吉武勇 明本昭義著 日本鉄道図書株式会社 第6版 昭和59年9月16日発行)を参考にさせていただくと、その69ページの解説によれば、連動装置の乙、丙とは、乙が「信号現示が一部の軌道回路により制御されるもの」、丙が「信号現示が軌道回路により制御されないもの」を意味し、さらに、「一部に軌道回路は設けられてはいるが、これがてつ査鎖錠のみに使用され、信号制御の行われていないもの」は丙に分類されるとのことです。

 そこで連動表をみますと、信号制御の欄があり、軌道回路が記されているので、「信号現示が一部の軌道回路により制御されるもの」のようで、この当時の夕張駅の連動装置は、「第1種機械連動装置 乙」ではなかったかと推測されます。

イ、鎖錠欄の転てつ器番号(てこ番号)と思われる番号に対応する転てつ器が、図上、見受けられない?

  鎖錠欄の数字「13」は、1番線の出発信号機のてこ番号で、それ以外の番号は転てつ器のてこ番号を示すを思われるのですが、それらの番号が図上、見当たりません。

  しかし、配線略図をよくよく観察しますと、104〜110番に付番された転てつ器があることに気が付きます。そして、それらの番号が付された転てつ器は、追分方構内の本線と副本線に係るものだとわかりますので、これらの転てつ器のてこは、信号扱い所に集中して設けられていて100番台の番号を附し、現場扱いの転てつ器と、区別していたと考えられます。連動装置が「第1種」であっても、現場扱いの転てつ器が一部残っていたと思われます。上記「運転保安設備の解説」の67ページに、この様な停車場も存在することが解説されています。

  そうはいっても、7または107番が付された転てつ器が図上、見当たらないのですね。ただ、これは、連動表などから推察して、単純な記入漏れで、追分方から1番線と2,3番線への進入をわける、図上、軌道回路「(7T)」が記されたところにある転てつ器が「107」だと思われます。

 そして、上に述べたことが正しいとした場合、連動表の鎖錠欄に記入すべき数字は、5、7とかではなく、105、107ではないかと思うのですが・・・。

ハ、信号制御欄の二行目、軌道回路の記入順が、「2T 8T」ではなく、「8T 2T」ではないか。

 ここは、信号機2(追分方から2番線への場内信号機)の信号現示が、軌道回路2T、8Tによって制御されることを示すと思うのですが、列車の進入順に記入するのではないでしょうかね?

 また、他の行の鎖錠欄にも、順番が違っている、定位と反位が逆になっているなど、疑問な点がいくつかあるのですが、これらは単純な記入ミスでしょうか?

ニ、軌道回路7Tは、信号制御にはかかわらないのか?

 連動表の信号制御欄には、場内、出発信号機のどの行にも、「7T」が記されていませんので、信号制御にはかかわっていないと考えられるのですが、てつ査鎖錠の関係でしょうか。ただ、下図の連動表には、転てつ器の行がありませんので、やや疑問が残るところです。転てつ器の行が省略されているだけでしょうか?

  拡大版(ファイルサイズ 1.2MB)

復習> 掲示板の方でf54560zgさんからご教示いただきましたことを参考にさせていただき、夕張駅の連動表を書いてみました。ご教示ありがとうございました。

 連動装置は、第1種機械丙、軌道回路1T、2T、8T(?)は、閉路鎖錠に利用され、7T、8Tはてっ査鎖錠に利用されていたと考えて作成しました。本来は、転てつ器欄に、現場扱いの転てつ器番号も「」付きで記入しなければならないのですが、省略しました。

 拡大版(ファイルサイズ 1.27MB)

 

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