国鉄 小野信号場

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(1)昭和33年(1958年)3月現在 

 高崎鉄道管理局の折本式線路図からの抜粋です。

 昭和33年3月現在ということで、原図は、小野信号場廃止前ということになると思いますが、この折本式線路図に記されている信号機や構内線路の新設や廃止に関わる通達年月をみますと、昭和43年頃まで使われていた線路図であるらしく、図面上、小野信号場が廃止され、北藤岡駅(の構内)となった訂正がなされています。

 昭和36年2月21日に北藤岡駅が開業し、小野信号場が北藤岡駅に統合され廃止されたようですが(ウィキペディア「北藤岡駅」より)、その年月日が2番目の図面にも記されていますね。

 また2番目の図面からわかるように、小野信号場から高崎方は、高崎線の線路図がそのまま使用されているようです。同じ鉄道管理局作成の線路図ですが、高崎線と八高線では、図上、信号機を示すシンボルの描き方などが異なっており、興味深いところだと思います。

 小野信号場のこの当時の連動装置は、第一種電気連動とかですかね?高崎線の場内信号機は、5Aであることが推測できますね。

 

(2)八高線の常用閉そく方式 

 ところで、国鉄時代の首都圏本部運転取扱基準規程、及び、新会社移行後の運転取扱心得細則にみる群馬藤岡〜北藤岡間の常用閉そく方式の変遷がなかなか興味深いと思いますので、かなり大雑把ですが、八王子〜群馬藤岡間も含めて、以下に列記しておきます。

昭和46年7月現行 首都圏本部運転取扱基準規程(昭和45年8月首都圏達第29号) 第74条 別表第2(1)常用閉そく方式一覧表 より

          八高線 八王子・北藤岡間  通票閉そく式

昭和54年3月現行 首都圏本部運転取扱基準規程(昭和45年8月首都圏達第29号) 第74条 別表第2(1)常用閉そく方式一覧表 より

          八高線 八王子・群馬藤岡間 通票閉そく式

              群馬藤岡・北藤岡間 連動閉そく式

(群馬藤岡・北藤岡間の常用閉そく方式が、通票閉そく式から連動閉そく式に変更になった時期はよくわかりませんでした。群馬藤岡・北藤岡間だけ「連動閉そく方式」にしたのはなぜなのでしょうか?)

(2019年(平成31年)2月11日追記)

 3RT生さんから情報をいただきまして、北藤岡ー群馬藤岡間の連動閉そく式施行は昭和48年2月27日とのことです。(参考図書 「轣轆114 昭和62年3月31日 高崎鉄道管理局発行)3RT生さん、貴重な情報をありがとうございました。

(追記ここまで) 

以下、分割民営化後のJR東日本の運転取扱心得細則を参考にしますと、

昭和62年       運転取扱心得細則(規程)(案)別表第7(14条、第17条、第19条、第20条)(常用閉そく方式の指定)より

           八高線 八王子・高麗川間  特殊自動閉そく式(軌道回路検知式)

               高麗川・群馬藤岡間 タブレット閉そく式

               群馬藤岡・北藤岡間 連動閉そく式

平成11年2月現行  運転取扱心得細則(規程)改正記録より、

平成6年5月     八高線 高麗川・群馬藤岡間 常用閉そく方式の変更 タブレット閉そく式 → 特殊自動閉そく式(軌道回路検知式) 

               群馬藤岡・北藤岡間 常用閉そく方式の変更 連動閉そく式 → 単線自動閉そく式(特殊) 

(参考:平成8年3月 高麗川〜北藤岡間 CTC化。)

平成11年2月現行 運転取扱心得細則(規程)(昭和62年4月安達第2号 別冊)別表第7(第14条、第17条、第19条及び第20条)(常用閉そく方式の指定)より

          八高線 八王子・群馬藤岡間 特殊自動閉そく式(軌道回路検知式)

              群馬藤岡・北藤岡間 自動閉そく式(単)(特殊) 

 八王子〜北藤岡間で、群馬藤岡〜北藤岡間だけ常用閉そく方式が異なるところが興味深いですよね。

 国鉄時代、自動(B)ともいわれた単線自動閉そく式(特殊)は、昭和42年の開発当初、非自動閉そく式の連動閉そく式の一種として整理されていたそうですが、連動閉そく式の区間を自動化する場合、自動(B)にする方が、より容易なんでしょうか。

 

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