国鉄 南千住駅

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(1) 国鉄 南千住 および 隅田川(三輪) 昭和36年 (1961年) 3月現在 

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 常磐線・三河島〜隅田川間の三線化は、昭和40年(1965年)1月工事着工、昭和42年(1967年)1月15日に完成(a)です。

 国鉄の技術者だった吉江一雄さんが、その著書「停車場の配線を診断する」の中で、三線化前の南千住駅付近の「安全」とは言い難かった線路配置と保安設備について解説されています (b) 。そこでは、常磐線と隅田川への貨物線の平面交差分岐箇所(上図では隅田川(三輪))を三ノ輪信号扱所(隅田川)と紹介されています。

 上図、南千住駅の岩沼方より分岐する単線の貨物連絡線ですが、「運転取扱心得細則 昭和37年1月 東京鉄道管理局 (昭和26.11.8 東管達甲第366号)」の、第82条別表「常用そく方式一覧表」によれば、常磐線 隅田川〜南千住間「票券閉そく式」となっています。

参考資料 

(a) 祖田圭介 「常磐線 線路改良の記録」 『鉄道ピクトリアル』 No.758 (2005年3月) pp.52 - 58 電気車研究会 より p.54 1-3 三河島ー南千住間

(b) 吉江一雄 『停車場の配線を診断する』 社団法人 日本鉄道技術協会 より pp.3-4 1.2 安全の原則 1.2.2 信号保安設備との関係

 

(2) 国鉄 南千住 および 隅田川(三河島方上下本線及び折返線) 昭和42年 (1967年) 3月現在

 南千住から隅田川方面へ分岐する常磐貨物支線は、すでに閉そく方式の自動化がなされています。自動化された正確な年月日は調べきることができませんでしたが、

「関東支社運転取扱基準規程 昭和40年3月 日本国有鉄道関東支社」 第74条(常用閉そく方式及びその区間)の別表第2によれば、「常磐線・隅田川ー南千住間」は、「単線自動閉そく式」

となっていますので、遅くともその時期には、すなわち、三河島〜隅田川間の三線化の完成よりも前に、自動化されていたことになります。

 南千住駅の信号機5Rは、南千住駅の貨物線の場内信号機となり、建植位置は、日暮里起点のキロ程が記さていると推定されます。一方、下図にある信号機4Rは、隅田川駅の折返線第一場内信号機で、そのキロ程は、南千住起点で記されているようです。ご存じのように、この貨物線は、隅田川駅折返線につながっているのですが、南千住での分岐点より先、すぐに隅田川駅の構内となっているのではなく、短い区間ながら、常磐線の支線になっているところが興味深いです。

 信号機の建植位置キロ程についてですが、常磐線の上下本線に関係するものは、日暮里起点、三河島〜隅田川間の単線貨物線に関係するものは、田端操起点、そして、隅田川ー南千住間の常磐貨物支線については、南千住起点で記されているようです。ただし、上にも書きましたように、南千住駅の貨物線場内信号機5Rは、南千住駅の構内だからでしょうか、電車線と同じく日暮里起点のキロ程で記されているようです。 

拡大版(ファイルサイズ 803KB)

 

(3) 国鉄 南千住 および 隅田川(三河島方上下本線及び折返線) 昭和47年 (1972年) 1月現在

 線路配置などは昭和42年3月の図と大きな変化はないようです。下図、安全側線にある黒い逆三角形の印は、安全側線緊急防護装置を示しています。

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(4) 国鉄 南千住 および 隅田川(三河島方上下本線及び折返線) 昭和56年 (1981年) 3月現在

 南千住駅及び、隅田川駅の田端操方の着発線の線路配置などは昭和42年3月、昭和47年1月の図と大きな変化はないようです。なお、下図Aにおいて、信号機3LXは、隅田川駅・折返線から南千住方面へ出発するための第二出発信号機で、信号機4Rは、南千住駅の下図Bに描かれている信号機4Rと同じ信号機を示し、南千住方からの貨物線・第一場内信号機となります。

 なお、この昭和56年3月現在の折本式・線路図は、本ページに記されている昭和36年3月現在、昭和42年3月現在、昭和47年1月現在の折本式線路図とは、編集のされ方が異なります。

 すなわち、上記昭和36〜47年の折本式線路図は、上野〜日暮里間(昭和47年版は東京〜上野間を含む)、田端操〜取手間及び隅田川駅(昭和36年の折本に関しては亀有より先が欠落しているので推定。)が掲載されているのに対して、昭和56年3月の折本の掲載線区は、

東北本線 東京〜蕨、常磐線 南千住〜勝田、常磐線 田端操車場〜隅田川(三河島〜南千住間の常磐線上下本線を含む。)、総武線 新小岩操〜金町

となっており、南千住駅近辺において、図面が連続して収録されていません。そのため、南千住駅日暮里方の図面は、隅田川駅の図面より一部抜粋し、図面Aとしてアップロードしました。

 ちなみに、上記昭和36〜47年の折本式・線路図のような上野〜取手間の折本式線路図が、昭和56年版でも存在するか否かは不明です。

 

A  拡大版(ファイルサイズ 1.23MB)

図B  拡大版(ファイルサイズ 537KB)

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